あんこも人材への道

外資系ドメスティック企業で働くおじさんの夢と希望と欲望の記録

キャリア

最近、プロジェクトでビジネス側の人間と関わるようになって、バックオフィスとビジネスでの価値観の違いに触れることが多々ある。

ウチの会社のバックオフィスだと、一種の"無理矢理感"(ハラスメント感)をできるだけ排除しよう、納得して周りが働けるようにしようという意識が働いているように思う。一方で、ビジネス側ではそんなことはおかまい無しに、納得感の欠けるような仕事の振り方やコンプライアンスに欠けるようなことも常々行われる。例えば、ざっくりとしたタスク内容とdue dateだけ振って後はそのまま、出来なければ怒ると言った感じ(私の経験ではないよ)で、プロジェクトメンバーや関係者内でのフラストレーションがえらいことになっている。

とはいえ、これはよりRationalityに溢れる仕事をしなければいけないという簡単な話ではなく、このやり方は一方で必要不可欠なのだろうと感じる。何よりリスクと責任の狭間ではRationalityを保つことなど到底無理なのだろうと、プロジェクトマネジャを見ながら感じている。

どうしてこんな話をしているのかというと、"じゃあ自分は将来どっち側でのキャリアを歩みたいの?"という質問に答えなければいけないタイミングが近づきつつあるからだ。

Rationalでビジネスパートナーとしてバックオフィスと、納得感ではなく意思決定と結果に責任を負うビジネス側のどちらがよいのか?という話で、最近は来年以降の海外アサイン先について希望を聞かれることが多くなって来ているので、非常に悩ましい。"いやいや、あなたビジネス側はRationalityに欠けるってさっきからdisってるから迷う必要ないでしょう"と言われてしまいそうだけど、それはその通りなんだけど、一方でその無理矢理感の作り出す成果、素早い意思決定は心から尊敬しているし、そこに魅力を感じる自分がいるため迷っているという、意思決定力がないお話なのである。ブレブレである。



自分のキャリアを考える上での芯は何なのか、上の文章を書いた後、しばらく考えてみた。
ブレブレながらも、唯一の信条が存在していることに気付いた。それは、"海外どこででも働けるようになる"、ということ。それは言い換えると、"日本が駄目になった時に海外に逃げられて、家族や周りの人たちを守ることができるくらいの財を築く"ということ。この点に関しては、就活を始めてから一度たりともぶれた事がない。地震津波などの大規模災害、少子化に伴う社会福祉の崩壊、そして何よりその点について危機意識が無く何とかなるだろうという思考放棄をしている日本国民。率直に言って、日本に数十年以上同じような生活水準を保つことができるチカラは残っていないと確信している。それ故に、先のない日本からエスケープして、海外のより良い環境でも働く事を実現するキャリアを設計したいという思いが、私自身の中にある。

では、この点を踏まえるとバックオフィスとビジネスのどちらがより実現性があるのだろうか?結論から言うと、バックオフィス側、というよりファイナンス側とIT側のオフィスである。何故なら、ビジネスのナレッジは、ローカルでのナレッジに依存しているからだ。その地域の商習慣、インフラ、企業の関係性に依拠した形でビジネスが行われていて、この知識は海外に出た途端全く通用しなくなってしまう。一方で、国家間で法律や規制上の差があったとしても、経理に含まれる会計や財務、またITでのナレッジに断絶があるとはいえないと考えている。コンバージョンが進んでいる会計では特に。

確かに、ビジネス側はビジネス側でバックオフィスに比べて非常に困難な状況をハンドリングするための意思決定、マネジメントスキルを育むことが出来るとは考えているが、やはりそのスキルもローカルでしか通用しないケースが多いように感じる。したがって、私が進むべきなのはファイナンスかIT側のキャリアだとまず考える。ただ、ITに関してはITの評価が低いウチの会社でキャリアを歩むことは適切でないと考えると、やはりファイナンス側なのだろう。

次に、ファイナンスといっても非常に多種多様な職種がある。ざっくり、会計、財務、税務に分けられ、さらにトランザクショナルな部分とビジネスパートナー的な部分に分かれていて、より海外で働く際に求められるのは後者である以上、ビジネスパートナーとしてのファイナンス職がまず優先される。また、税務は国税国際法上での税務があり、国税では海外で働くためのコンパチブルなナレッジを持っていない以上は後者がより先のキャリア目標に近い。もちろん、ウチの会社のグローバルではより細かなファンクションがあるので、それについて下調べが必要なのは言うまでもないが、まずビジネスパートナーとしてのファイナンス職を目指す必要がある点は、間違いない。

つまるところ、私はビジネス側のあの意思決定力、マネジメント力に浮気してしまっていた。一年経って、入社時のファイナンスへの動機に戻って来るとは…。

次にしなければいけないことは、グローバルでのファンクションの下調べとネットワーク作り、また中期的には会計の勉強を進める必要がある。向こうに行くまでには、FAREは通っておきたいところ。

ひとまず、キャリアの方向性について納得できてよかった。明日からまた働ける。